最後の言葉/Last Word

ライトノベルの感想・書評を思うがままに

ぼくたちのリメイク 11 感想

ぼくたちのリメイク11巻 読了

 

10巻にて学生編が終了し、結局4年間のやり直しを経てもクリエイターとしての道を諦めた恭也が、河瀬川の誘いを切っ掛けにまた現場へと帰ってくる

 

一線を引くことを選んだ恭也がこれまでの仲間たちからのメッセージを受け取り、また立ち上がっていく姿はテンプレ的でありながら盛り上がる展開だった

特に貫之の小説越しのメッセージが徐々に届き、最後にシノアキが待っていたよ。と迎えるシーンはとても熱い展開で良い

 

木緒なち先生と言えば、私自身が蒼の彼方のフォーリズムの大ファンなために、個人的にはエロゲライターとしての印象が非常に強く、本作も全体的にエロゲに近いような話の構成を感じた。

IFルートの設定や、エピローグ後に最終章を迎える構成は比較的定番の手法だと思うが、それゆえに盛り上がりの演出が上手だと思う。

 

作品の終着点として、10巻で力不足で手を放し、リジェクトされた作品を、現場から離れていた恭也が纏め上げる事に説得力を持たせ、最後を迎えられるかは率直な疑問

 

変わってしまったサクシードの2人の背景と、最後に松平が問うた事がおそらく答えになるのだろうが、しっかりとそこを最終巻で纏め上げられるか、期待しながら待っていたい

 

しかし河瀬川もシノアキも再起の切っ掛けと、おかえりを言う役目とメインヒロイン級の役割が与えられているのに対して奈々子はちょっと差が…

まあ2人はIFの未来とβでそれぞれ結ばれたようなものだから当然(?)なのかもしれない

 

個人的には河瀬川が良いコンビとしての面も含めて好きなんだけれど、ヒロインレースを競うような作品でも無いとは思う…が、せっかくなので最後にIFや短編集で結ばれた先の可愛い姿も見てみたい