最後の言葉/Last Word

ライトノベルの感想・書評を思うがままに

ライザのアトリエ1~3 感想

お久しぶりです。

 

別の事柄でアウトプットの時間を大分取られていたため、こちらのブログは殆ど更新出来ておらず。

 

久しぶりの記事ですが、少し趣向を変えて今回はガストのRPGである、ライザのアトリエシリーズの感想を書きます。

 

ライザのアトリエはアトリエシリーズという25年の歴史があるのRPGで基本的に三部作で毎回展開されるゲーム。

調合システムが魅力のゲームで、ストーリーを進める傍らで素材を集めて様々なアイテムを作って~という流れのゲームで、調合を始めたら2時間くらいずっと調合していたりなんて事もあるぐらい。

 

RPGとしてのボリュームは中程度で30時間程度もあればストーリーがクリア出来るようなゲームだが、忙しい社会人になってしまった今、これくらいのボリュームの方が手に取りやすいとも思っている。

 

ライザのアトリエシリーズアトリエシリーズの最新の三部作で、アニメ化も決まったヒット作。

 

特に主人公のライザが爆発的に人気が出た事もあり、アトリエシリーズの中では主人公が交代しない珍しいシリーズでもある。

 

本作、特に引き込まれたのがライザのアトリエ無印のストーリー

閉鎖的な田舎の村で生きる3人の少年少女が外からやってきた錬金術師に影響を受け、村の外へと踏み出し、冒険をすると共に世界の危機に迫っていく…というジュブナイル小説のようなテンプレのような物語なのだが、そのテンプレをきっちりと抑えていて、キャラの魅力に加えて、お約束の展開をしっかり描写するだけで、ここまで面白いのかと関心した。

 

一歩踏み出し、人知れずに世界を救った少年少女たちは、この経験を経て大人になり、村を飛び出してそれぞれの道に進む…というシナリオの最後の構成が本当に綺麗だった

 

実際に無印の脚本は灼眼のシャナ高橋弥七郎先生が担当していて、ラノベ読者の自分には刺さるシナリオだったのは間違いないと思う

 

ライザのアトリエ2は脚本家が代わり、3年後に王都で再会するも、皆それぞれ立場が変わっている中で、変わらない絆を描いた…事は良いと思う。

ただ単純なシナリオの大筋として、謎の精霊であるフィーを巡る物語なのに、フィーとの絆が育まれる描写が薄くて、シナリオに全然共感できなかったり、面倒な遺跡を巡るのに、遺跡に残された古代の民に起きた事がストーリーの本筋に何も関係無かったり、と全体的に何を示したいのかが微妙でどうしても評価はできなかった。

 

その評判をガストも承知していたのか、ライザのアトリエ3では脚本家が高橋弥七郎先生を再起用

 

ライザのアトリエ無印が少年少女が大人に成っていく物語だったが、ライザのアトリエ3は1人前になったライザがこの世界の錬金術師の宿痾と向き合っていく、という物語で1から続く「錬金術師」に出会った事で少女から大人へ成長して行ったライザが、「錬金術師」としてこの世界でやるべきゴールに到達する。という1から繋がるストーリーを上手く構成して収束させた、3部作の結末と言える内容にしっかりとなっていたと思う。

 

傲慢で過ちを繰り返してきた錬金術師達の中で、最後にライザが師に誓った「良き錬金術師」でありながら、この世界の錬金術師としての終着点にたどり着いた。

錬金術をテーマにしたアトリエシリーズの中でも、しっかりと錬金術師の有様を描いた良いシリーズだったと思う。