最後の言葉/Last Word

ライトノベルの感想・書評を思うがままに

とってもカワイイ私と付き合ってよ!

今回はシリーズとして。

 

昨年8月に1巻が発売し今年9月に3巻が出た三上こた先生のデビュー作。

 

ヒロインのお願いを受けて主人公が偽の恋人役を引き受け、という良くある偽恋人モノの文脈で始まるラブコメで偽の関係を続けている間に…という文脈こそ王道なのだが、二人のキャラクターに芯が通っていて、物語としての既視感が薄く引き込まれる。

 

過去の経験から人間関係を切って敢えて1人で過ごす事を選択している主人公の大和と、自分に絶対の自信を持ちながらも周囲の人間関係の調和を捨てきれないヒロインの結朱がお互いの出会いを通じて、惹かれ合いながら成長していく姿は美しい

 

ブコメとしての二人の掛け合いも非常に良くできており、常に攻めている結朱がさりげない反撃でコロっとたじたじになったりする姿はとても可愛い。

 

カクヨムでSSが40話以上無料で公開されているので、気になった方はぜひ。そこを読むだけでもラブコメとしての高いクオリティは感じられると思う。

 

3巻で一旦物語としては区切りが付いたが続編は出るのだろうか。

まだこの二人の物語を読んでみたい気持ちはあるが、ラブコメは話の幅を広げる事が難しいジャンルなので3~5巻程度でやれる事をやり尽くしてしまう印象もあるし、個人的にもその程度で綺麗にまとまっている作品も好み。

 

いずれにせよ三上こた先生の活躍には今後も期待したい