最後の言葉/Last Word

ライトノベルの感想・書評を思うがままに

りゅうおうのおしごと!

今週は自分が好きなシリーズの紹介。

 

りゅうおうのおしごと!の自分が感じている魅力についてを紹介したいと思う。

今作はアニメ化もしており、現在刊行中のライトノベルでもトップクラスにメジャーな作品。なのであらすじなどは割愛して、自分が本作で魅力的だと感じている部分をいくつか紹介したい

 

1つ目はキャラクターの造詣の深さ。

本作は非常に登場人物が多く、主要キャラ以外も多くのサブキャラクターが登場している。

その中で、各巻で主要キャラクターを中心に、サブキャラクターの誰かしらにスポットが当たって…という構成が基本なのだが、とにかくスポットが当たる範囲がとても広い事に加えて、それぞれのキャラクターがしっかりと特徴づけられているのが凄い。

挿絵が限られるライトノベルでは、登場キャラクターが多いと時々スポットが当たるキャラクター、どういうキャラクターだったっけな…と思い返す事が多くなるのだが、本作はキャラの特徴付けがしっかりとしていて、久しぶりにスポットライトが当たっても、すぐにどんなキャラだったかを認識できるくらい、多くのキャラが特徴を持って描写されている。

それでいて、各キャラの芯の部分や、テーマ、将棋にかかわる熱い想いの描写に圧倒的な力がある

 

2つ目は挿絵の使い方

りゅうおうのおしごと!は挿絵の使い方が上手い。特に特徴的なのは対局のクライマックスでの描写で見開きの右端に1人、左端にもう1人を描写して、その間の文章でそれぞれの想いを綴る描写は、将棋盤を挟んで対峙している姿を視覚的にも連想させる。

見開きを使った描写などはこれまで色んなラノベでされてきたとは思うが、見開きの両端を上手く使った描写は自分が知る限り、りゅうおうのおしごと!が初で、その描写がとにかく物語にハマっている。

最近だと他にも連れカノはこのような描写を結構クライマックスで使ってたりするかもしれない。ライトノベルと小説の違いである挿絵を、上手く使ったアプローチは他にも増えていくと表現の幅が広がって良い

 

自分が主に感じているりゅうおうのおしごと!の魅力はこの2点

もちろん、熱い想いの描写やコメディパートの面白さ、しらび先生のキャラデザなどと他にも魅力的な部分はたくさんあるのだが、ライトノベルの構成としてはこの2点が本当に抜けて凄いなと思った。

 

第三部もいよいよ佳境に近づき、そろそろ物語の終わりも見えてきたが、このまま最後まで楽しませて欲しい